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2020年2月27日木曜日

地元とのつながりを大切に・・・中居林えんぶり組の門付け 2020

中居林えんぶり組の門付けに同行しました
いつもお世話になっている中居林えんぶり組の「門付け」に同行させていただきました!去年は八戸市中心街での夜の門付けに同行しましたが、今年は地元中居林地区の門付けへ!

中居林で中居林!
そう!今回の門付け同行は、中居林地区!門付けは、地域の家々や商店などを巡ってえんぶりをご披露する、地域とえんぶり組との繋がりが感じられる場面です。この日の中居林えんぶり組は八戸えんぶり公式行事の参加予定がなく、終日地域を巡る日でした。
朝8時に宿(練習場所となっている屯所)に集合し、まずは着替え。

地域のお母さんやお姉さんが、子供たちに化粧をします。


鼻の筋には白い線。これは、神様が降りてくる目印になるためなのだとか。


この日は中学生のお兄ちゃんたちも烏帽子を被りました。頭のサイズに長さを調節して・・・

準備オッケーです!



出発前に・・・
出発前の大切な場面。烏帽子に手を合わせます。
八戸えんぶりは、長者山新羅神社に奉納する神事で、その年が豊作であることを願う予祝行事。またの名を「豊年祭(ほうねんさい)」と言うそうです。
元々は農民の田植え踊りであったとされるえんぶりは、太夫(たゆう)と呼ばれる男たちが馬の頭をかたどった烏帽子を被り、田植えの所作を模した「摺り(すり)」と呼ばれる舞を披露します。この摺りによって田の神様が目を覚ますとか。
烏帽子には神様が宿っているとされ、各えんぶり組では代々にわたって歴代の烏帽子を大切に保管しています。八戸えんぶりの練習期間に入ると、宿には現役の烏帽子を並べ御神酒やお米をお供えして、神様と同様に大切に扱います。
だから、しっかりと手を合わせるわけですね。

そして、烏帽子に手を合わせた後は、大切な儀式がもう一つ。お祭りですもの。


そして外へ・・・。
この、烏帽子がいっぱいかかった荷車。とっても萌えます。
(えんぶり人形の次の題材にどうですか)


今日の藤九郎さんはベテランのあのお方✨


いよいよ出発!まず向かったのは・・・
いよいよ出発です。まず向かったのは宿から直ぐのところにある「中居林天満宮」。


湧水がなんちゃらかんちゃらでどーのこーのという伝説があるお宮だそうです。(詳しくはGoogle先生にきいてもわからなかった。)中居林地区の再開発で湧水はもうないんだとか。


まずはこの、中居林地区を見守る大切なお宮の神様にご挨拶をして、門付けに出発です。



この日はご近所を巡ります。青空の下、中居林地区に中居林えんぶり組のお囃子が鳴り響きます。なんて心地いいんでしょう!


この写真。お気に入り⇩



個人宅で摺りを披露。


中学生のお兄ちゃんたちも、バッチリ決まってます。こちらのご家庭ではえんぶりを心待ちにされていたようで、ご夫婦が本当に嬉しそうな顔をして摺りを見ていらっしゃいました。

ガソリンスタンドでは、太夫の摺りも祝福芸も、フルコースで披露してくれました! えんぶりは摺りの他に様々な芸能を組み合わせた表情豊かな郷土芸能。えんぶりのあるところにはいつも人々の笑顔があります。このあったかさが、なんともいえない幸せな気持ちにしてくれます。
特に恵比寿舞はとっても盛り上がる演目の一つ。中居林では去年から恵比寿舞が代変わり。この子は声が良くて、手足の動きもとても上手。表情も良いですねぇ!
(この子のベストショットの瞬間は、グイッと竿を引いた瞬間ではなく、意識を集中して竿を見たこの瞬間!先代の子はグイッと引っ張った瞬間がベストな瞬間でした。人によってかっこいい瞬間が違うのもえんぶりの面白いところ!)


大黒舞のお兄ちゃんも、大きくなりました!一人で立派に舞う姿に、感動。中居林の大黒舞は他の組とは内容が違うそうです。あとで調べてみよう・・・!



親方たちも、自慢の声を響かせます。前回の東京オリンピックの時代に藤九郎だったというお父さん。中居林小学校でえんぶりの指導をするほか、つまご作りの名人としても大活躍中。まだまだ現役です。
目を閉じてその歌声を聞いていると、ジーンとくるものがあります。


中居林えんぶり組といえば、田植え!
5人の太夫によるピシッと揃った田植えの所作は、もうほんと美しいの一言!中学生のお兄ちゃんたちも、ここまで本当によく練習したと思います。大好きな田植えが間近で見られて大満足でした〜♪

この日はこの他に、地域の病院や施設に慰問。やはりえんぶりのある場所にはあたたかな空気が流れます。施設の方々も喜んでいる様子でした。(施設内では撮影してません。)

宿で一休み
お昼は、宿に戻って一休み。この日のお昼ご飯は、お母さんたちが作ってくれたカレー!

カレーの後はプロレスごっこ!



中居林で中居林は、最高に中居林!
もう、中居林!

この日の門付けは夜まで続きました。僕はお昼で一旦家に帰りましたが、また夜にお邪魔。
この日の最後のえんぶり披露は中居林の町内会の皆さんにえんぶりを披露する会でした。夜は若手の藤九郎さんとベテラン太夫さんも合流して、地元の皆さんにえんぶりをご披露。田植えもやってくれた!大満足。



司会のお父さんからは「中居林えんぶり組に子供を預けると、礼儀からなにからちゃんと教えます!」との言葉も。
ほんと、その通りだと思います。世代の異なる人たちが一つのことに取り組む、とってもすんばらしい時間。中居林のお父さんたちが元気なのは、地域の誇りと愛情をずっと持ち続けているからなんでしょうね。中居林の親方衆のハートは、熱いです。


ということで、今回は久しぶりに中居林えんぶり組の地元での門付けに同行させていただきました!
門付けは、市役所での公演やお庭えんぶりとはまた違った良さがあります。郷土芸能の継承には、地域との繋がりが不可欠。少子高齢化の時代ではありますが、今後も中居林えんぶり組の独特な摺りや子供達の舞が、地域の人々に愛され、多くの子供達が中居林に参加してくれたら良いなーと思いながら、帰路につきました。


中居林えんぶり組では、メンバーを募集しているそうです。「様式の美しさの中居林」と言われる、独特な緊張感のある摺り、子供達の元気な舞い、ちょっと難しいけど覚えるととっても楽しいお囃子!皆さんも参加してみてはいかがでしょうか〜?



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