中居林えんぶり組の練習を見学してきました。
いよいよ、2月17日から幕を開ける青森県南最大の冬祭り「八戸えんぶり」。
今年も八戸市内や近隣から30組ものえんぶり組が参加し、八戸の大地に春を呼び込みます。
八戸市中居林地区の「中居林えんぶり組」では、練習が最終段階に入っている模様でした。
今回はその練習の様子を、少しだけご紹介します。
真剣な表情で作り上げる、線の美しい舞い。
中居林えんぶり組の舞いは、太夫の「摺り」も子供たちの「祝福芸」も、どちらも動きの線が美しく、見る人を深く感動させます。
こちらの写真は恵比寿様がおめでたい鯛を釣り上げる「恵比寿舞」の練習の様子。
小学生の男の子が終始真剣な表情で練習していました。
同じ恵比寿舞でも、組によって特徴があります。
例えば上組町の恵比寿舞は舞い手の場面の変化が豊かで、舞い手の男の子がひょっとこのような顔をして来場者を沸かせたり、釣りに失敗するといかにも悔しそうな顔をしたりします。
対して中居林の恵比寿舞は舞いとしての完成度が高く、指の先や足の動きまで緊張感があり、上組町とは違った見応えがあります。
同じ舞いでもこれだけ違った空気感があるので、えんぶりの面白さは見れば見るほどどんどん奥が深くなる一方です。
子供たちも年々成長したり、代替わりしたりと、舞い手によって大きく印象が変わることもあり、その変化がまた面白いところでもあります。
細かい部分までしっかり指導。子供達は、親方衆のハイレベルな南部弁も難なく聞き取ります。すごい。 |
大黒舞いのお姉ちゃん。ベテランです!
えんこえんこの子供達。
小学生の子供達も、とっても真剣な表情です。
動きの細部にまでこだわり抜いた中居林の祝福芸は、本当に完成度が高くて見応えがあります。
お待ちかねの「お菓子」
子供達が楽しみにしているのは、練習の後にもらえるお菓子。
親方が一人一人に声をかけながら、お菓子を手渡します。
こういった大人との触れ合いも、子供達がえんぶりを好きになり、そして大人になっていくための大切な場面で守ります。
子供達はえんぶりを通して人として大切なことを学んでいきます。
「えんぶりを始めたら大人になった」という声もよく聞きます。
もしお子さんに何かやらせたい・・・とお考えの方は、えんぶりもいいかもしれませんね!
練習や本番は主に冬の時期だけですが人として大切にすべきことを学ぶことができると思います。
田植えは中居林。
子供達の練習が終わると、大人の練習の時間です。
この日は「田植え」の練習も行われました。
中居林の田植えは太夫5人がぴったりと息のあった動きで、線の動きが本当に美しいです。
えんぶりの演目の中で「中居林の田植え」が一番好きです。
ほんと、格好いいいですよ!
親方のみなさんからのアドバイス。
ハイレベルな南部弁で繰り広げるので、ネイティブ南部人じゃないと聞き取れないかも?
「こうやってえんぶりは伝承されてきたんだな」と感じることができる場面です。
市庁前の公演や中心街での一斉摺りも見力的ですが、こうった場面こそ、えんぶりの本当の姿なのだと思います。
八戸えんぶりは、いよいよ17日から。
北国八戸に春を呼ぶとされるえんぶり。
八戸は青森県の中で最も雪の少ない地域ですが、それでも寒さは厳しく、冬の大地は凍てついています。
この大地に豊年の祈りを摺りこみ、子供達の祝福芸やお囃子によって笑顔を呼び込むえんぶりの姿を、ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。
この地に800年続いてきたとされる、えんぶりの「今の姿」をご覧になれば、青森県八戸市や県南の人たちの変わらない願いや、この地方の人々の底力を感じることができると思います。
そしてその姿に、きっと、涙することでしょう・・・。
八戸えんぶりは2月17日から20日まで。毎年同じ日付で行われます。
今年もきっと、感動的な場面がたくさん見られることでしょう。
今からワクワクです!
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最後までお読みいただきありがとうございました♪
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